こんにちは。
とても学習になった本の紹介です。
「いま君に伝えたいお金の話」 投資家 村上世影
著者の村上さんは2004年頃にライブドアがニッポン放送株を取得する渦中にいた人物です。当時、莫大な利益を得ていた村上さんを追及する取材陣に対して「お金儲けして、何が悪いんですか?」と発言。この核心を突いたセリフがとても印象に残っています。
村上さんが投資を始めたのは10歳の時。お父さんから、それ以降の大学卒業までのお小遣いをいっぺんに貰って、そのお金で最初の株式投資を始めたそうです。それから日々、日経新聞を読んだり、会社四季報を読むようになったり、お金に関する知識を吸収していったそうです。大学卒業時には当初の資産の100倍になっていたという驚嘆する事態。子供時代のこのエピソードだけでもぶっ飛んでいます。
本書では、投資の具体的なテクニックについては記載がありません。もっと俯瞰したもので、「お金とは何か」「世の中とお金の関係」「貯めて増やす姿勢」、そうした事柄をやさしく解説してくれています。
さて、本書の中で私が付箋チェックした箇所を列記します。
- お金は寂しがりや…村上さんのお父さんの口癖だったそうです。お金を擬人化して考えるところからして、お金に対する姿勢が違いますね。
- モノの値段はかならずしも質の高さだけで決まる訳ではない…世の中は需要と供給で値段が変わる。「値段」に騙されず、良いものを見る目を養うことが説かれています。
- 大好きな事を仕事にできるかどうかは、それが「人のためになるかどうか」できまる…同じお金を稼ぐなら好きな事を仕事にしたほうが人生が幸せ。最近、様々な場面で好きを仕事にして生きていく大切さが説かれていますが、投資家である村上さんも同じ考えを持っていらっしゃいます。
- ミッションに出会えた人は幸せ…仕事を通じてミッション(生きる意味や目的)を見出すことは大切。働くモチベーションになり、生きがいにもなる。
- ミッションを見つけるにはビジョンが必要…ビジョンはミッションの先にあるゴールのようなもの。ジョブズ(Apple)やマークザッカーバーグ(face book)にもビジョンがあったはず。ビジョンとミッションが明確にあれば、途中うまくいかなくても、路頭に迷う事がない。
- 株の投資をするとき、最も重視するのが「期待値」…期待値とは儲かる勝率の事。期待値を割り出すために、成長率、GDP、借金、為替レート、住宅価格、平均所得など、物事を数字でとらえ、頭に叩き込んで分析していらっしゃるそうです。
- 物事の雲行きが怪しいときは「これはダメ」とすっぱりあきらめる。あきらめる勇気を持つ…これは株の損切りにも言えることですし、仕事にも言えることだと思います。
- マッチング寄付…誰かが寄付してくれたら、村上財団も同じ金額を寄付するというマッチング寄付の仕組みを実行された事例がありました。自分の寄付したお金が実質的に2倍になるわけです。なんだかとても嬉しいシステムです。
このように、お金の話でありながら、精神的でもある内容でした。私はこれまで村上世彰さんの事をあまり知りませんでしたが、村上さんのファンになった一冊です。
「物事を数字でとらえ、頭に叩き込む」これは大変だと思いますが、目下学習中です。。。
アップルを創設したジョブズは坐禅人でもあった、という点も当ブログ的には特記しておきます笑
以上参考になりましたら幸いです。