不安をなくしたい、と思っていました。
将来のこと。
お金のこと。
仕事のこと。
考え始めるときりがなく、
気づけば頭の中で同じことを繰り返している。
そんな状態が続いていました。
坐禅を始めたのも、
もともとはその不安をどうにかしたかったからです。
少しでも楽になれればと思って、
毎日10分ほど坐ることを続けてきました。
けれど、結論から言うと、
不安そのものは、なくなりませんでした。
これは少し意外でした。
続けていけば、
そのうち不安が消えていくのではないかと
どこかで期待していたからです。
ただ、変わったことがひとつあります。
それは、
不安との距離です。
以前は、不安が浮かぶとすぐに飲み込まれていました。
頭の中で広がっていき、
気づけばそれが現実のように感じられる。
そしてまた、不安が不安を呼んでいく。
けれど今は、
不安が浮かんできても、少しだけ離れて見ている感覚があります。
完全に切り離せているわけではありません。
ただ、
「不安がある状態」に気づいている。
その分だけ、巻き込まれる時間が短くなっていきました。
坐禅の時間にやっていることは、とても単純です。
呼吸に意識を向けていると、
すぐに別の考えが浮かんできます。
不安や心配ごとも、その中に含まれます。
そのたびに、
「考えているな」と気づいて、
また呼吸に戻る。
ただそれを繰り返しているだけです。
けれど、この「気づく」という動きが、
日常の中にも少しずつ現れてきます。
不安が浮かんだとき、
以前であれば、そのまま考え続けていたところを、
「今、不安を感じているな」と気づく。
このわずかな違いが、
大きな差になります。
不安がゼロになるわけではありません。
けれど、不安に支配される時間は減っていく。
その結果として、
- 落ち着いて判断できるようになる
- 無駄に焦ることが減る
- お金の使い方にも影響が出てくる
こうした変化につながっていきました。
不安を消そうとするほど、
かえって強くなってしまうことがあります。
だからこそ、
無理になくそうとするのではなく、
少し距離を取ること。
そのための方法として、
坐禅はとてもシンプルで続けやすいものだと感じています。
特別なことは必要ありません。
1日5分や10分、静かに坐るだけです。
その中で起きた変化については、
書籍『坐禅で整う暮らしとお金』にまとめています。
もし、不安との向き合い方を少し変えたいと思っているなら、
ひとつの参考になるかもしれません。

