こんにちは。
日本は世界的にとてもお風呂好きだと言われます。現代は多くの家庭に内風呂があり、ゆったりと日々の疲れを癒します。小さいお子さんのいるご家庭では、お風呂におもちゃを持ち込んで、入浴を家族の楽しいひとときにしています。さらには内風呂があるにも関わらず、毎週のように大型銭湯に通う人もいらっしゃいます。全国の温泉巡りを趣味としている方も多くいらっしゃるようです。また入浴剤も実に豊富で…などなど、お風呂は実に多彩な日本文化だといって過言ではないと思います。
目次
お風呂と仏教の関係
歴史を紐解きますと、日本でお風呂が普及した理由はなんと仏教にルーツがありました。
まずは遡ること紀元前5世紀頃、仏教の開祖である釈迦は沐浴によって身を浄めた後に菩提樹の下で坐禅に入り、ついに悟りを開いたと伝承されてます。
そして日本でのお風呂の原形は、6世紀の仏教伝来とともに中国から伝わったと考えられています。
仏教では沐浴によって身体を清めていました。汚れを落とすことは仏に仕える者としての大切な仕事とされていた為です。そのため、多くのお寺において、浴堂を構えるようになりました。また、仏教では入浴によって身を清めることは「七病を除き、七福が得る」とされており、当時から健康に良い事とされていました。寺院では僧侶のみならず、庶民にも入浴をさせたとも言われています。お湯に浸かるという文化が庶民に浸透したのは自然なことかもしれません。
かつてのお風呂は蒸し風呂だった
仏教伝来から1000年以上の間、「風呂」といえば蒸し風呂のようなものでした。現代のサウナのように蒸気で蒸して垢を擦り落とし、お湯で流すというものでした。
江戸時代になると、宗教的な意味とは離れ、純粋にお風呂を楽しむ「銭湯」がさかんになり、膝下だけ湯に浸かる半身浴のお風呂、肩まで浸かる「据え風呂」へと発展していきました。驚くことに当時のお風呂は混浴が基本だったそうです。
明治期になると徐々に混浴はなくなり、大きな浴槽のある現在の銭湯の原形ができあがりました。
そして昭和、住宅様式や経済的な進歩とともに家庭の内風呂が普及していきました。ドリフが「いい湯だな♪」「風呂入れよ!」と歌い始めたのも昭和の中頃です。(これは温泉の歌らしいですが)
日本は世界有数の温泉地
そもそも日本は世界有数の火山地域であり、温泉地域です。北は北海道から南は沖縄まで、全国津々浦々に温泉地が豊富です。なんと温泉地の総数約3,000か所もあるそうです。そうした好条件もあり、入浴文化が花開いたのだと想像がつきます。
映画でも表現される日本人のお風呂好き
千と千尋の神隠し
国内外で記録的ヒットを飛ばした、映画「千と千尋の神隠し」も銭湯を舞台としていますが、日本のお風呂文化を世界に紹介しました。映画のモデルになったといわれる温泉地は日本各地やさらには台湾にまであるといわれ、映画ファンと温泉ファンの胸を躍らせてくれます。
テルマエ・ロマエ
この映画、日本人てお風呂が大好きなんだという事を全体で表現してくれているように思います。ときどき映画を観返す事がありますが、見終わった後に銭湯や温泉に行っておもいきりゆったりとしたくなるのは、私だけではないと思います。
しめくくり
日本人の風呂好きは仏教の影響を受けていたというのは、やはり意外ですね。本当に様々な場所で仏教や禅が身近にあるものです。今後も実は身近な仏教や禅を楽しくご紹介できればと思っております。
お読みいただきありがとうございました。
◇参考文献
今週のお題「お風呂での過ごし方」