こんちには。
今回は書籍をご紹介させていただきます。
書籍「グレープフルーツ・ジュース」オノ・ヨーコ
オノ・ヨーコと33人の写真家と詩をコラボレーションした詩集で、「この本を燃やしなさい。読みおえたら。」という衝撃的なフレーズで印象的な書籍です。
その内容を少しご抜粋します。
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心臓のビートを聴きなさい。
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呼吸しなさい。
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一本の線を引きなさい。その線を消しゴムで消しなさい。
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掃除をしなさい。
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録音しなさい。石が年を取っていく音を。
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ある期限で名前を変えなさい。年齢によって。年によって。日によって。その時々によって。洋服によって。
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ある金額のドルを選びなさい。そして想像しなさい。a その金額で買えるすべての物のことを。
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想像しなさい。b その金額で買えないすべての物のことを。一枚の紙にそれを書き出しなさい。
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出入りする小さなドアをつくりなさい。出入りするたびに、あなたはかがんだり、縮んだりしなければならない。これはあなたに、あなたがどれだけのサイズなのか 出る事、入る事とは何かを気づかせてくれる。
いかにも前衛芸術家といった、考えさせられる鋭い印象です。そしてどこか、禅や禅問答の感覚を覚えるのは私だけではないと思います。それもそのはず。オノ・ヨーコは学生時代、禅寺への訪問や禅を世界に広めた鈴木大拙さんの講演を聴くなど、禅への傾倒のある人なのです。「心臓のビートを聴く」「呼吸」これは私にとっては坐禅中の出来事です。
初版は1964年に500部限定で東京で発行され、その後加筆された英語版が世界中で発売されました。そして夫のジョンレノンは、この書籍にインスパイアされ、名曲「イマジン」を生み出しました。以前に当ブログで記事にアップしましたが、「イマジン」は禅の世界観に通じるものがあると思っています。
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ちなみにオノ・ヨーコさん、なんと現在の安田生命につづく安田財閥を作り上げた安田善次郎のひ孫にあたり、桁外れのお嬢です。父の海外赴任等で米国での生活もあり、ごく自然とスケールの大きな心を養われたのでしょうか。2022年現在89歳。時折映像でお見かけしますが、いつも凛とした佇まいを纏っておられるように映ります。また子供時代に戦時中を過ごされた経験が、平和運動活動家としての活動に繋がっていらっしゃるように思います。
今回は、少し禅にまつわる書籍という事でご紹介させていただきました。
ご参考になりましたら幸いです。