こんにちは。
久しぶりに禅語のご紹介です。
「喝(かつ)」とは禅語です。
私にとっては、武道やお寺などで指導者が修行中の者に向かって、「喝!」と厳しく叱るイメージがあります。
精選版 日本語大辞典 によると以下のとおり
禅宗で、言語、文字では表わしにくい心の働きを示したり、または修行者を叱り、どなりつけて導いたりするために用いる叫び声。
とあります。
そもそも禅は悟りに至る説明が言葉にできず、そのため「喝!」という大声により自分の悟りを示す事。また師匠が修行僧に「喝!」と叫ぶ場合、弟子の迷いを断ち切ったり、師匠の力を教えたり、弟子の成長度合いを計る事に用いられるそうです。
すなわち「喝」は禅の意味を端的に表すものなのだとか。
奥が深いですね。
経験はありませんが、もしお寺で「喝!」と怒鳴られた場合、私などどうしたらよいかわかりません。
禅のひとつである臨済宗においては、「臨済の四喝」という教えも存在しています。
・有る時の一喝は、金剛王宝剣の如く、
・有る時の一喝は、踞地(こじ)金毛の獅子の如く
・有る時の一喝は、探竿影草(たんかんようぞう)の如く
・有る時の一喝は、一喝の用(ゆう)を作(な)さず。
日々の修行や生活のあり方について説かれたものです。内容が少し難解ですが、もしご興味のある方は臨済宗の資料などをお調べいただければと思います。
「喝!」が禅語だと思うと、これまでとの感じ方が変わってきました。しっかりと相手の為、自分の為に使う言葉なのですね。
以上、禅についての興味関心をいただけましたら幸いです。お読みいただきありがとうございました。
◇参考文献
・精選版 日本語大辞典
・書籍 禅語 パイインターナショナル